ソムリエール川西のワインにまつわるエトセトラ | Qualiter Letter

大和撫子とロゼワイン


先日、インポーターが集まる試飲会で二万円近くもするプロヴァンスのロゼワインがありました。
あれっ、一桁見間違えたかな?と思いましたが、確かに二万円。もちろん試飲しますよね。

プロヴァンスのロゼは、一般的に辛口が多くフレッシュでフルーティ。
現地フランスでは、夏の海辺のテラスで気軽に飲まれている。

こんな高価なワイン、気軽に飲めないじゃないかと、まず香りを嗅ぐ。
爽やかな果実とフローラルな感じもする。

口に含んでじっくりと味わう。心地よい酸味を軸にクリームのようなまろやかさ。
そして何といっても余韻が長い。口の中にいつまでもそのワインが残っているような感覚。

興味津々、インポーターさんにお話を伺うと、最良のブドウだけを使い、「熟成可能」で
「ロゼシャンパーニュのような」をキーワードに、このロゼワインを生産されているとのこと。
おまけの話として、レディ・ガガがこのワインを飲みながら婚約会見をして
話題になっていて、ものすごく売れているのだとか・・・。


何にでもトレンドというものがあって、ワインもまた然り。
歴史や文化、生産者のストーリーや話題性も。
そしてアメリカやイギリスのワイン市場は世界に大きな影響を与えます。

健康志向が高まる中、食事もライト化されていく中で
ワインもパワフルかつボリューミーなものからバランスやエレガントさが求められるようになり、
若い世代を中心に親しみやすく気軽に楽しめるワインが人気を集めています。


どんな料理とも合わせやすいロゼワインもその一つ。
世界中で消費量が増加傾向にあり、明らかにその関心が高まっています。




私が初めて口にしたワインはロゼワイン。
優しく包み込んでくれるその色は心を穏やかにしてくれます。

日本でロゼワインの色=ピンク色は桜のイメージですが、
英語でピンクは元々ナデシコの花を指す言葉。
「ナデシコ」と聞けば、私たちは「ヤマトナデシコ」=可憐で繊細、芯の強さを持つ
日本人女性を連想しますよね。

ロゼワインの色調を表現する単語も、「ピンク・サファイヤ」、「ピンク・トパーズ」、「ルビー」など
宝石に例えたものもあり、女心をくすぐります。


ロゼの醸造方法は大きく二つに分けられ、直接圧搾法はプレスにより色素を抽出し、
淡い色調で味わいも軽快でフレッシュなものになります。
もう一つは、セニエ法と呼ばれ、漬け込みにより抽出したもので、
より濃い色調でボリューム感、渋みも感じられます。

アレクサンドル・デュマ・ペールの小説「三銃士」のダルタニャンの故郷、
フランスのガスコーニュで造られるフルーティでチャーミングなロゼ。

    

ダルタニャンの剣さばきのような華やかさ、苺、ざくろ、アメリカンチェりーの瑞々しさと
丸みのある酸味、ほのかな渋みが心地よくスパイシーさも含みます。
日差しが暖かく感じるこの季節、よく冷やして、フィンガーフードとこのワインを持って
ピクニックやBBQにいかがですか。


ビストロ・ダ・アンジュ ソムリエール  川西幸代

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ブドウの力 ワインの力


立春を迎え暦の上では春ですが、まだまだ寒い日が続きます。
皆様いかがお過ごしでしょうか?

しかしながら、ワイン好きの皆様にとっては少し早い春が来ましたね。
随分と前に話題になったEPA交渉による
ヨーロッパの輸入品の関税撤廃が2月1日より実施されています。
公共料金や食材の値上げのニュースが多い中、私たちにとっては嬉しいニュース。
一本当り94円程安くなるという事ですが、高級ワインも手頃なワインも一律ですので
普段飲みの手頃なワインほどその恩恵に授かれます。
乳製品や粉もんを購入するよりワインの方がその頻度は高いと思いますので、
少しの幸せを感じられそうです。


さて、外は寒く空気も乾燥し、風邪やインフルエンザが蔓延しているようです。
ブドウは乾燥している方が病気にかかりにくいのに、人間は乾燥に弱いですね。

「酒は百薬の長」と言われ、大昔は薬としての役割もありました。
私も昔は、熱っぽいなと思ったら熱燗に生卵を落としたものを飲んで
一晩グッスリ眠ると翌朝はスッキリというような超原始的な方法で風邪を治していましたが、
もう自力で治す体力も若さもないようで、 (気だけはあるのですが・・・)
素直に病院で薬を頂いております。

  
古代ギリシャの酒神「バッカス」 
こちらも可愛い「バッカス」


紀元前より造られていたワイン。「医学の父」「疫学の祖」と呼ばれたヒポクラテスは
「ワインは最も美味しい飲み物であり、薬である」という言葉を残しています。
古代では有機酸の多い白ワインは、戦場で傷を洗うための殺菌薬として、
また、水を殺菌する為ワインを混ぜて飲んだり。

この季節、旬の牡蠣と白ワインの組み合わせも納得!
美味しい組み合わせの根本って、
ちゃんと理にかなった人間が潜在的に感じるものなんだとあらためて感心します。

それだけじゃありません。
カリウムの含有量が多く尿やお通じを整え代謝を促し,肥満防止につながります。
お正月食べ過ぎたあなたも、冬は2、3kg太る私にとっても、これは朗報!
ただ、食欲欠乏の緩和効果もあるので、美味しいワインに美味しい料理と
いずれにせよ食べ過ぎには注意ですけどね。
 

  

そして皆さんご周知のポリフェノール。「フレンチパラドックス」という言葉、よく聞きますね。
=「フランスの逆説」  これは美食大国フランスは、バターやクリームを使った料理、
肉やフォアグラなど油脂分を多く摂っているにもかかわらず、動脈硬化や心筋梗塞などの
心臓病での死亡率がとても低いという事なのです。

この事実には世界中が注目し、その疑問を投げかけたところ、
パリの血液血管研究所の所長が
「それは赤ワインを飲んでるからだよ」と事もなげに答えたのだとか。

赤ワインに多く含まれるポリフェノールに抗酸化作用があり、悪玉コレステロールを減らし
はたまた寿命が延びるとまでは言いませんが、健康には良い飲み物であるのは間違いなさそう。
ブドウの果実、種子、葉っぱまでにも含まれるポリフェノール、渋味が強く色の濃いワインが造られて
地元のそのワインを日常的に飲んでいるフランス南西地方の人々の平均寿命は他の地方より
高いと研究結果で発表されています。




↑南西地方の濃い〜ワインと、元気なおじ様方↓






でも、実はこれが一番大きいかも!ブルゴーニュのワインを見ると儚げに感じたり、
南の果実味いっぱいのワインに明るく元気にさせてもらったり、芳醇な香りは私達を癒してくれます。

一口にワインといっても、品種や土地、ヴィンテージ、
醸造法や樽使いで多種多様な顔を見せてくれる。
美味しいワインとのめぐり逢いは楽しさや喜びを与えてくれます。
きっとワインが与えてくれる至福は未来永劫変わることはないでしょう!

くれぐれも飲みすぎませんように!

ビストロ・ダ・アンジュ ソムリエール  川西幸代

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新たな時代へと


新年明けましておめでとうございます。

年末年始の暴飲暴食で胃がもたれております。
思ったより飲み食い出来なくなってる自分に気付きました。
皆様はいかがお過ごしでしょうか?


   


お正月にテレビをつけると、
AとBどちらが100万円相当のワインかを当てる、というのをやっておりました。

その100万円と言われたワインは、ボルドーのシャトー・ムートン・ロートシルト1959。
100万円は言いすぎなんじゃないの??と思いつつレストランで飲めばそのぐらいかぁと、
何だかこちらまで緊張してきました。

そしてそのワインを飲んだ一流芸能人が
「1880年頃は2級だったんですが
1級に這い上がってきたワインでそれに執念を感じます。」と言ってました。

まさにその通りで、この格付けには歴史がありメドックの五大シャトーと言われています。
1855年のパリ万博の際に、世界中の人々にフランスが誇るボルドーのワインを
アピールするためにナポレオン3世が格付けを行いました。
700〜1000のシャトーがエントリーしましたが一級に選ばれたのはたったの4つのシャトー。

この格付けは150年経った今も変わっていませんが、唯一1973年に
このシャトー・ムートン・ロートシルトが2級から1級に昇格しました。

この当時の格付けでは、品質やシャトーの規模も申し分無かったのですが、
格付け直前にイギリス人の所有になったのが大きな理由だと言われています。

その後、オーナーによる畑の改良、醸造技術の見直しなど、さまざまな事を行い、
100年以上かけて1級に昇格させたのです。
まさに意地とプライドをかけた執念のワインなのです。

とは言え、100万円もする高価なワインは未だ口にしたことはなく、
想像と期待が膨らむばかりですが
楽しみはいつの日か・・・に取っておくことにします。



メドックの五大シャトーに並び、サンテミリオン地区やポムロール地区のワインも
一流のワインを語る上では欠かせません。
1878年、第三回パリ万博で金賞を受賞した「ペトリュス」もその一つ。
英語の「ピーター」、ラテン語では「聖ペトロ」の名を持つワイン。
キリストの一二使徒の長で、天国の鍵を持つその姿がラベルに描かれています。

ペトリュスもまた、社長が毎日のように畑に行き、ぶどうの状態を確認し
醸造責任者としての責務も果たし一流のワインを生み出しています。
自分の思うようなぶどうが収穫できなかった年は
ワインの出荷をしなかった程、そのプライドは誇り高きものです。

この情熱がボルドーワインの中で一、二を争うものにし、
ボルドーワインを世界のワイン愛好家の虜となったんでしょうね。





そしてここにも世界が注目する生産者がいます。シャトー・ローザン・デスパーニュ。
200年以上、ボルドーのワイン造りに携わり、全財産を投げ打って畑の改良、醸造所の整備を行い、
今やラフィットやマルゴーをも凌ぐ高評価を受け世界が注目するシャトーです。
ボルドーの新時代を築くかもしれません。


今年は平成が終わり新しい時代が幕をあけますが、私はいくつになっても未熟で失敗も多く
情けなくなることも度々で、美味しいワインのように柔らかく成熟するのはまだまだ先か、
もう飲み頃を過ぎて劣化を辿っているのか!?

いずれにしてもお天道様に向かって精進していきたいと思います。

2019年もどうぞよろしくお願い致します。


ビストロ・ダ・アンジュ ソムリエール  川西幸代

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