ソムリエール川西のワインにまつわるエトセトラ | Qualiter Letter

台風一過の心の晴天

秋晴れが気持ちの良い季節になりました。
「涼しくなったらやるわ。」と言ってた花壇の草むしりも、もう言い訳ができなくなりました。
皆様、いかがお過ごしでしょうか?でも本当に外出しやすくなりましたね。
皆さんもあちこち出掛けられて、お忙しくされてるのではないでしょうか?
また、朝晩は寒いくらいなのでどうぞ体調の変化にもお気を付け下さいね。


さて、先月10月2日〜8日の一週間、ビストロ・ダ・アンジュでは、
毎年恒例のパトリック・テリアンシェフを招いてのスペシャルイベントを開催しておりました。

一年に一度のシェフとの交流とお料理をとたくさんのお客様にご来店いただき、
いつもとは一味違うビストロ・ダ・アンジュを、私も楽しく一週間過ごさせて頂きました。
ありがとうございます。

そしてこれもまた毎年恒例のように、この時期やっぱり台風が来るんです。
9月初旬は大阪直撃の大型台風に見舞われ、
シェフの到着予定日9月30日も台風予報が出ておりました。
空港や鉄道、百貨店も前回の事もあり早々に運休、休業を決めてましたから
「飛行機どこに到着するかな?」「新幹線止まってるで。」「イベント延期ってこともあるんじゃない?」

なんて心配はご無用でした。

「ボンジュール!皆さんお元気でしたか?さぁミザンプラス始めましょう!」と、
チェックインも済まさず大きな荷物を持ったまま元気な姿を見せてくれると身が引き締まる思いです。
すぐにコックコートに着替え仕込みが始まり
シェフのレシピが形となって現れると気持ちが高揚し
明日からのイベントが益々楽しみになっていきます。

そしてテリアンシェフの料理フェア、いよいよ開幕です。
ここからは、シェフのお料理とおすすめの組合せのワインで楽しんで下さい。


 「六種の貝のミュスカデワイン蒸し」にはこれしかないでしょ。
シェフの出身地、ロワールのミュスカデを。

貝の旨みだけでも十分な味わいを更に豚足とバターでコクを。
そこにミュスカデの爽やかな酸を。
澱と一緒にひと冬寝かせたミュスカデは爽やかさと旨味、コクを兼ね備えています。
一皿目からワクワクしますね。

  「イカとタコ、ミモレットチーズの彩り野菜 胡麻の風味」
ヨーロッパの食事には欠かせないチーズ。この世に三つの食べ物が残されるとしたら
パンとチーズとワインだ!なんて言葉があるくらい!
ブルゴーニュでも南の方で造られた、パインやマンゴーなどの
南国フルーツのニュアンスを持った シャルドネ、コトー・ブルギニヨン・ブランを。

 「グリンピースのクーリとソルベ ノワゼットの香り」 
クーリとはピューレのこと。このピューレとシャーベットの温度差が口の中で混ざり合って
ものすごくシンプルな料理なのにとても複雑で絶妙な味わいになります。
張り合っても仕方ありませんが、ここいらで日本のワインも。
樽の少し効いた酸味のきれいな「甲州」も絶妙。
最近はパリでもフレンチと日本ワインを合わせるお店が増えてきているようですよ。




 「オマール海老と平目 甲殻類のブイヨン ココナッツと生姜のアクセント」
そりゃ美味しいでしょ!またココナッツと生姜がオリエンタルで不思議な雰囲気を感じます。
樽の香りとしっかりとボリューム感のあるブルゴーニュのシャルドネが王道ではありますが
今回は南西地方の地葡萄を使った強烈な個性と可能性を持ったル・フェイトゥ サンモン・ブランを。
黄色い花の香りや蜂蜜の上品な甘さ、ハーブの爽やかさと最後は葡萄本来の瑞々しさ。
熟成期間がその複雑さを増して何とも言えない、シェフのお墨付きのマリアージュ!


 「フランス産仔牛のロースト ニンニクのフランと茄子のカネロニ」
85°の低温で3時間ゆっくりとローストするとこんなにもきれいなピンク色で柔らかくジューシーに
なるんです!後5分、いや後10分!なんて絶妙な火入れが腕の見せどころ。
この料理にはシェフが事前にフランスから送ってくれたAOCイランシー。
ブルゴーニュの赤ワインはピノ・ノワール単一で造られますが、
イランシーはセザールという品種を10%混ぜてもよく、タンニンを豊かにし色も濃くなります。
ワインラバーにとってはとっても興味深く
おもしろいワイン。

他にも数々のお料理とデザート。写真でのご紹介、楽しんでください。




いかがでしたか?食欲の秋、美味しいもん食べたく、飲みたくなってきますね。
今年もシェフと一週間お仕事をして、色んなお話をさせてもらいました。
その中で「普段の食事には、何も高級なワインを合わせる必要はない。。
日常ワインでも必ずその料理にピッタリのワインがあるんだよ。
それが料理もワインもそして心も豊かにしてくれるんだよ。」
というお話をしてくれました。ワイン文化のフランス人の心の声を聞いたような気がしました。

皆様の心と胃袋をつかめる嫁?になれますよう、これからも益々精進していきたいと
あらためて感じております。今後共宜しくお願い致します。


ビストロ・ダ・アンジュ ソムリエール  川西幸代

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シチリア島から、ドンナフガータのワイン会レポート

季節の移ろいを肌で感じ、そして自然災害の恐ろしさを体で感じた、そんな九月でした。
皆様はいかがお過ごしでしょうか?

スタッフや皆様との何気ない会話、ワインの多様性にときめき、
普通に仕事をし日常を送れている事が本当にありがたいと思える日々を過ごしております。


そんな中、先日イタリアのシチリアの生産者、ドンナフガータから
ファビオ・ジェノベーゼ氏が来日し、
アンジュの姉妹店、メルカート・アンジェロにてメーカーズディナーが開催されました。

数年前に私もこのワイナリーを訪問させて頂いた事もあり、他店のワイン会ににも興味津々で
参加させて頂く運びとなりました。

ところで皆さん、マルサラワインってご存知ですか?

ワインにリキュールを加え、アルコール度数を高め、
暑い土地や船の長期輸送にも耐えられるように造られた
シチリア島の西岸部「マルサラ」で造られる伝統のお酒で、
ドンナフガータも1983年の創業当初はこのマルサラワインを造る、
家族経営の小さな生産者でした。現在は東側のエトナ山の麓にも畑を持ち、
泡、白、赤、ロゼと22種類ものワインを造り、今や世界から注目される生産者となりました。

このシチリアマフィア並みの強面のおじ様、何か闇ルートでもあるんじゃなかろうか??
おっと失礼!!
家族思いで自社ワインを愛し、女性にはめっぽう優しいファビオ氏なのです。


ドンナフガータとは訳して「逃げる女」という意味で、
ルキーノ・ビスコンティ監督の映画「山猫」に出てくるナポリの王女が逃げて、
隠れ潜んだ場所「コンテッサ・エンテリーナ」に畑を持つのが
その名の由来。「セダーラ」や「タンクレディ」といったワイン名も「山猫」からくるように
全てのワインにストーリーがある名前をつけています。

そしてシチリアは9世紀〜11世紀にかけてアラブに統治されていた時代もあり、
その痕跡は今でも残っています。
モスク風の赤くて丸い屋根の教会や、食文化、アイスクリームの原型のシャーベットも
アラブ人がもたらしたと言われ、「アラブはシチリアの一部だ」とその文化を讃える人もいます。
ドンナフガータもアラビアとの歴史とリンクさせていて「ミッレ・エ・ウナ・ノッテ」=「千夜一夜」もそう。

   
 

1992年から当主とデザイナーが手掛けた斬新で可愛いラベルのワインは、
イタリアでは、美味しくないだろうと思われがちなんだそうですが、
ドンナフガータは外と中が伴っているんだと、その自信はイタリアワインの楽しさを感じます。

シチリアは土着品種の宝庫です。地中海からたくさんの民族がブドウの苗木を持って、
シチリアからヨーロッパ大陸に入植し何百、何千というブドウの品種が今でも残っていて、
その土着品種で造られたワインこそが イタリアワインの楽しさだと思います。

シチリア原産のネロ・タヴォラで造られた「ミッレ・エ・ウナ・ノッテ」は1995年が初ヴィンテージ。
その頃この品種は安くてまずいと言われ、ブレンド用として使われる事が多かった中、
単一でのワイン造りに挑み、初代当主の奥様ガブリエラがティスティングした際に
「スーパータスカンに並ぶワインだ!ドンナフガータここにあり!」と言ったとか言わなかったとか。
今回はお肉と合わせましたが、シチリアではネロ・タヴォラで造られるワインと
魚料理や野菜料理に合わせることも多いんですよ。

 初ヴィンテージ!スル・ヴルカーノ
 フレッシュでありながらミネラル豊富で
 濃厚な雲丹とも相性良いですよ。

 

 秋刀魚のブカティーニ
 穴あきの太麺パスタ。
 穴が空いているので
 吸ってもすすれない!
 ナイフで切って召し上がれ。

 

小さい粒状の
パスタ、「クスクス」          
これもアフリカから
入ってきたもの          
お肉のソースを
使うことが多いですが
シチリアでは
やっぱり魚介です。
 
A5ランクの
お肉とは
ミレ・エ・ウナ・ノッテ

 

「風の島」と呼ばれる
パンテレッリア島で
陰干しのブドウから
造られたデザートワイン
あんずの様な香りが
口いっぱいに広がり
最後はもうご満悦です。
 

 

やっぱりイタリアワインって楽しい!
国際品種のカベルネソーヴィニヨンやシャルドネで造られた
素晴らしい高級ワインも沢山あるけれど、
イタリアならではのワインは、飲む人を明るくさせてくれる。
それが最大の魅力。これ本当!聞いたことがない品種のワインを是非飲んでみてください。
きっとイタリアワインの虜になるはずです。

最後に、「今年のサッカーW杯は出れなかったけどイタリアでの盛り上がりはどうだった?」
と聞くと、「ホンマカッコ悪いわ!でもドイツが負けた時は一番盛り上がったわ!」と、
この日一番のテンションの高さでした。さすがサッカー大国!そしてワイン大国!

ビストロ・ダ・アンジュ ソムリエール  川西幸代

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初心忘るべからず

初秋の候と言いたいところですが、厳しい暑さが続いております。
見上げると空もだんだんと秋に近づいて、
頭の中では陽水と玉置浩二の素敵なハーモニーが流れ
夏の終わりに切なさを感じますが、いざ前を向いて歩き出すと汗だくになり、
すっかり現実に引き戻されます。

もぅ秋でいいんじゃない?   皆様、いかがお過ごしでしょうか?

秋といえば、ビストロ・ダ・アンジュでは
毎年10月の初めにフランスから「パトリック・テリアンシェフ」を招いての
スペシャルイベントを行っています。

8月の初旬にはメニューとレシピが届き、シェフの来日に向けてしっかりと準備を進めております。
もちろん一番の目的は、お客様に楽しんで頂くためなのですが、
もう一つ「ビストロ・ダ・アンジュ」が
フランス料理店で在り続けるためでもあるのです。

フランス人シェフとの交流により、その人柄、文化に触れフランスのエスプリ=魂をもらい
「ビストロ」としての原点に戻るということなのです。少し大袈裟になってしまいましたが、
流行に流されず、伝統を守って、これからも「ビストロ」を発信していきたいという
大きなモチベーションにもなっています。
10月2日〜8日までの一週間、皆様と一緒に楽しみたいと思います。
是非お店にお越しくださいませ!



秋に近づくと、食事もワインもコッテリしたものがほしくなりますよね。
テリアンシェフの出身地、ロワール地方はボルドーやローヌに次ぐワインの大産地。
北西部に位置するこの地方は、冷涼な気候もあり、
酸味のきれいな爽やかな白ワインが多いのですが
中には樽で熟成させたものや、樹齢が高くミネラル豊かなボリュームのある、
この季節にじっくり飲みたくなるようなワインもあるんですよ。

チキンのクリーム煮込みやバターの風味いっぱいの魚のソテー、トロっととけたチーズとか、
シェフの来日を待ちわびながらしみじみ飲みたいわぁ。なんて恋する乙女??
やっぱり秋はセンチになっちゃいますな。

 ロワールは甘口ワインも
 造っています。
 官能的で心に響きますよ。
 飲むほどにワインが
 楽しくなる、異次元の
 サンセールです。

そしてこの季節、思い出すのはソムリエ試験。
家だと暑くてボーっとしてくるので、
分厚い教本を持って図書館や喫茶店で涼を取りながら勉強したものです。

今年は身近な人が数名受験するので気になって仕方がありません。
何分、一次試験は筆記なので手伝う訳にもいかずひたすら応援しております。

一次が受かると二次試験はテイスティングと実技です。
テイスティングは当て物ではなく、色や香り、味をみて
そのワインはどういったワインか一つずつ分析していくのです。
何だか難しそう!!  
えぇ、試験の場合は、もぅそれは真剣に、
3種類のワインをテイスティングした後はヘトヘトです。




 

 昨年、訪問したブルゴーニュ生産者にて

 美味しいワインを皆さまへお届けする為
 生産者から説明を受けながら
 10種類程のワインを真剣にテイスティング中

 

先日、ソムリエ仲間数人と、とあるワインバーで飲んでおりましたら
誰が言いだしたのか、ブラインドテイスティング大会になりまして、
最初は直感で「これはフランスのシャルドネで2015年だね」とか、
「この香りはメルローだね」とかキチンと分析するんですが、

そのうち「いや、マスターはそんな単純なワイン出さないよ」とか、
「実はフランスっぽく造ってるカリフォルニアなんじゃない?」とか、 つい裏をかいでしまうんです。

いやですね、大人になるとひねくれた考え方になって、
意外と一番最初の答えが合ってたりするものなんです。
あぁでもない、こうでもないと言いながらやってましたら
午前様になったのは言うまでもありません・・・

小さい頃、親に「素直が一番やで」ってよく言われました。ホント身にしみます。
何事も素直に受け止め行動することって大切なんだなぁと、
またまたワインに大事なことを思い返させてもらい、初心に戻ることができました。
ワインは楽しい飲み物。そして一期一会。
頭を固くせず、素直に美味しいと思えるそのワインを、皆様におすすめしていきたいと思います。

もう、すぐにこの暑さが恋しい季節になりますね。
9月末頃から、今年収穫されたブドウから造られた
ヌーヴォー(新酒)が続々と出荷されます。

恵みの季節、美味しい食材とワイン、とことん楽しめる季節です。
運動の秋、読書の秋、芸術の秋、皆さんは何を楽しみますか?
私は先ずは、シェフとのイベントを思いっきり楽しみたいと思います!


ビストロ・ダ・アンジュ ソムリエール  川西幸代

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