ソムリエール川西のワインにまつわるエトセトラ | Qualiter Letter

〜 Le Quatorze Juillet〜

今年も、早くも半分が過ぎてしまいました。
梅雨もあったのか、なかったのか分からないまま、
通勤時は日陰を探しながら歩きたくなる様な暑さになってきましたね。   

皆様はいかがお過ごしでしょうか?

さて、7月14日はフランス革命記念日です。
フランスの各地で、パレードや航空ショーなどが催され、全国でお祭りが行われています。

日本では「パリ祭」の名前で知られており、シャンソンのコンサートや
レストランでは様々なイベントが行われています。

と、ここで少し歴史のお勉強を・・・

1789年7月14日に、パリ市民が、バスチーユ牢獄を攻撃し、
中にいた囚人を解放した日が革命の始まりとされています。

国王ルイ16世、王妃マリー・アントワネットが処刑され、
その後テルミドールの反動によりナポレオンが台頭。領土を広げますが、ロシア遠征の失敗から失脚。
ルイ18世が王政復古をして革命は終りを告げました。(だいぶ省略しております。)
この革命は、市民階級の力を誇示するものとなり、絶対君主制から民主主義社会へ移行する
先導の役割をはたしました。




と、世界の歴史的にも重要な日なのですが、フランス料理やワインといった食文化においても
フランス革命は大きな影響を与えました。
王侯貴族に仕えた一流の料理人、菓子職人、給士係は職を失い、町に出ることを余儀なくされます。
彼らは、当時誕生しつつあったレストランで働くようになり、
この出来事が、フランス料理の新時代の幕開けとなります。

革命以前より、王侯貴族たちは、美食を競い合い、すぐれた料理人を抱えることに熱心で、
フランスは美食の国として知られていました。

しかし、彼らの饗宴は幾重もの厚いカーテンにさえぎられ、市民には想像のすべもありません。
彼らは、このような時代のパリ市民に、本当の美食の実態を開示しました。
この時期にフランスにおいて「食べる」ということが、「文化」として発展していきます。
また、ソムリエという職業もこの時に誕生しました。





一方、各地のぶどう畑は、それまで小作人であった農民に分配されました。
このため、畑は小さく分割されることになりましたが、その後資本家が、
それらの畑を再び買い上げ、大きな単位にまとめたのが、現在のボルドー地方です。

そして、農民に分配され、更にその子孫に受け継がれ、場合によっては、
更に小さな単位に分割されたのがブルゴーニュ地方です。

現在のボルドー地方のシャトーが大規模な畑を持ち、安定した品質のワインを出荷するのに対して
ブルゴーニュはドメーヌという農家単位でそれぞれのワインを製造、出荷し、
同じ村でも味わいの違うワインが造られるため、畑の単位で格付けがなされているという違いは
主に、このフランス革命以降の経緯によるものなのです。
  

 

また、中世では色の薄い赤ワインが愛飲されていました。
ボルドーでは、赤ワインに白ワインを混ぜて薄めたものもありました。
今日の高級シャトーのしっかりとしたワインが出てくるのも、このフランス革命以後のことなのです。


と、 ひとまず歴史のおさらいをしたら、人ごみの中、花火を見て心洗われるもよし、
冷房の効いた部屋でしみじみと一杯やるもよし。 思う存分、夏を楽しみましょう!


突然ですが、このフランス革命記念日の少し後から、私、フランスに行くことになりました。
6日間の強行日程ではありますが、皆様のワインライフが益々楽しくなる様
お手伝いをさせて頂くべく、現地の情報、ネタを持って帰りたいと思っております。
お店の方も一週間ほど留守に致しますが、どうぞよろしくお願いします。

À bientôt!  また近いうちにお会いしましょう!    フランス語と格闘中です・・・。


ビストロ・ダ・アンジュ ソムリエール  川西幸代

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エスカルゴ・ド・ブルゴーニュと隠れキャラ

すっかり夏ですね。   皆様いかがお過ごしでしょうか?
まだ6月だというのに気温は30°を越え、「今日は真夏日になります」なんて言われると
昔はドキドキ、ワクワクしたものですが、すっかり暑さにも弱くなって、     
仕事終わりの一杯が欠かせなくなっております。暑かろうが寒かろうが一杯やっておりますが…。

しかし、6月と言えば梅雨。すっかり梅雨が来るのを忘れていました。

ちょうどこの季節、ヨーロッパでは葡萄の葉を食べて育つカタツムリが姿を現します。
中でもフランスはブルゴーニュ地方のものが有名で、一時はその数が激減しましたが、
今は無農薬や化学肥料を制限して葡萄の樹を育てている所が多く、
また、捕獲の規制もあるようで復活の兆しが見えてきています。

カタツムリと言うと少々グロテスクになりますので、“エスカルゴ” と言い方を変えましょう。
はい。中でもこの地のエスカルゴが本物だ!と言われるぐらい、エスカルゴ・ド・ブルゴーニュは有名で、
古くからこのタイトルの歌まであるくらい。 で〜んで〜んむ〜しむし〜♪ではありませんよ。
エスカルゴはブルゴーニュのシンボルなのです。


この時期はまだ小さいのですが、7月1日の解禁日を迎えるとプックリと立派に成長し、
ブルゴーニュの田舎のお年寄りは、雨上がりの早朝にエスカルゴ獲りに出掛けます。

ハーブやにんにくの効いたバター(エスカルゴバターとも言います。)と一緒にオーブンで焼くと、
何とも食欲をそそるいい香りがしてきます。  ゴクッと喉が鳴りワイン、欲しくなりますね。

   
やはり同じ地方の、きれいな酸とまろやかさを併せ持つブルゴーニュの白。

     
 
   
華やかさ、フルーティーさが特徴のボージョレーの赤は少し冷やして。
     


ビストロ・ダ・アンジュでは、いつでもこのマリアージュを楽しんでいただけますよ!

エスカルゴってフランス料理として知られていますが、ブドウ畑に生息しているので、
ワインの大産地、イタリアでもトマトやワインで煮込んだ料理があります。

ドライフルーツの甘みの中にスパイシーさがあり、ほのかな渋味も感じる
イタリアの赤のスパークリング、ランブルスコ。夏らしくキリッと冷やして!
 
     


そう言えば、ブルゴーニュではエスカルゴがシンボルとなっておりますが、
ビストロ・ダ・アンジュのキャラクター、“エスカルゴおじさん” の事、皆さんご存知ですか??

カールおじさんは東の方では見れなくなる様ですが、
アンジュの開店前か閉店後にお店の前を通る事がありましたら、そこに
隠れキャラを見ることができるかも!!
 

営業中は、お店の中にコック帽をかぶってエスカルゴを運んでる
本物の“エスカルゴおじさん”に会えるかもしれません!!

こんな事書いてるのバレたら叱られるかもしれません!!
皆さん秘密にしてください! しーっ!ですよ!

 

ビストロ・ダ・アンジュ ソムリエール  川西幸代

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ゴールデンウィーク前の Special 1 Day

皆様、ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたでしょうか?
今年は9連休なんて方も!!海外に行かれて、現地の美味しいワインをたらふく飲んで
こられた方もいらっしゃるのでは??

もちろん私達飲食店は、超多忙な一週間なわけで、羨ましい限りでございます。

そんな中、私が勤めるビストロ・ダ・アンジュに、フランスからシャンパンの生産者、
バルビエ・ルーヴェより、ドゥニ、セリーヌ夫妻が来店してくれました。

バルビエ・ルーヴェ家は、シャンパンを造り始めてからすでに6代目。
家族経営の小さな生産者で、ブドウの栽培から醸造まで全てを行っている
RM(レコルタン・マニピュラン)です。
セリーヌは6代目の現当主で、女性醸造家でもあります。


そんなセリーヌがシャンパンの説明をしてくれている間に、時折ご主人とアイコンタクトをして、
すると、ドゥニが「それでいいよ」みたいな感じで、ウンウンと頷いたり、時々一緒にお話してくれたり、
てっきりご主人もシャンパン造りに携わっているものだと思っていたら、
何と、ふつうのサラリーマンだと言うじゃないですか! さすがフランス人です。

子供の頃からワインを飲んだり(水で薄めたりしながら)、日常的にワインにたずさわっていると、
普通にワインのことを語れるんだなぁと、歴史や文化の違いというものを感じ、驚きました。

家族の仕事に付いて行って、一緒に営業するって、なかなか出来ないですよ!

     

私のお店では、フレンチポップスやシャンソンなど、CMやドラマで使われている
日本人でも耳馴染みのある曲をBGMで流しているんですが、
彼らにとっては懐メロのようなものらしく、「すっごい懐かしいけど、もともとこの曲を歌ってる人達は
もう誰もこの世にはいてないで。」と言いながら、イントロが流れると、
テーブルを叩いて、ピンポ〜ン!「この曲は〇〇や!」と(もちろん関西弁で喋ってはおりません)
ドレミファ・ドンが始まりました。(ご存知ではない方、昔やってた音楽系クイズ番組で
イントロを聞いて、楽曲を当てるというやつです。)

そのうち、お二人が腕を組んで体を揺らしながら大声で歌い出すと、お客様たちも歌いだしたりして・・・
フランスのレストランではこんな事も日常的にあるんだろうなぁ、なんて思いながら
シャンパンのお話はもちろん、大統領選の話まで、非日常的な時間を過ごしました。


この日のシャンパンは4種類で、シャルドネ100%のブラン・ド・ブラン 1er。
特級畑のブドウのみを使った、プレステージG.C.。
そしてブドウの出来の良い年にのみ造られる2010ミレジム。
苺の香りが華やかなロゼG.C.。 前菜からデザートまで合わせられる
ラインナップにテンションも上がります。

 

仕事中ではありますが、ご夫妻やお客様と乾杯しながら、少しずつそれらのシャンパンを
頂きましたが、やっぱりシャンパンって特別ですね。
体に染みわたり、その味わいと、その日過ごした時間、そして人と人とのつながりを
最高のものに演出してくれたバルビエ・ルーベのシャンパンの余韻に浸りながら
ゴールデンウィーク前に少しフランスを感じ、現実逃避することが出来ました。

さぁ、ゴールデンウィークが終わり、このコラムがUPされる頃には、
フランス大統領も決定していることでしょう。
この世の行く末を考えると、また現実に戻ってしまいますが、
そんな時は、シャンパンを飲んで、いい夢見ましょう。。。

 さぁ今夜も "A votre sant!"


ビストロ・ダ・アンジュ ソムリエール  川西幸代

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