ソムリエール川西のワインにまつわるエトセトラ | Qualiter Letter

シチリア島から、ドンナフガータのワイン会レポート

季節の移ろいを肌で感じ、そして自然災害の恐ろしさを体で感じた、そんな九月でした。
皆様はいかがお過ごしでしょうか?

スタッフや皆様との何気ない会話、ワインの多様性にときめき、
普通に仕事をし日常を送れている事が本当にありがたいと思える日々を過ごしております。


そんな中、先日イタリアのシチリアの生産者、ドンナフガータから
ファビオ・ジェノベーゼ氏が来日し、
アンジュの姉妹店、メルカート・アンジェロにてメーカーズディナーが開催されました。

数年前に私もこのワイナリーを訪問させて頂いた事もあり、他店のワイン会ににも興味津々で
参加させて頂く運びとなりました。

ところで皆さん、マルサラワインってご存知ですか?

ワインにリキュールを加え、アルコール度数を高め、
暑い土地や船の長期輸送にも耐えられるように造られた
シチリア島の西岸部「マルサラ」で造られる伝統のお酒で、
ドンナフガータも1983年の創業当初はこのマルサラワインを造る、
家族経営の小さな生産者でした。現在は東側のエトナ山の麓にも畑を持ち、
泡、白、赤、ロゼと22種類ものワインを造り、今や世界から注目される生産者となりました。

このシチリアマフィア並みの強面のおじ様、何か闇ルートでもあるんじゃなかろうか??
おっと失礼!!
家族思いで自社ワインを愛し、女性にはめっぽう優しいファビオ氏なのです。


ドンナフガータとは訳して「逃げる女」という意味で、
ルキーノ・ビスコンティ監督の映画「山猫」に出てくるナポリの王女が逃げて、
隠れ潜んだ場所「コンテッサ・エンテリーナ」に畑を持つのが
その名の由来。「セダーラ」や「タンクレディ」といったワイン名も「山猫」からくるように
全てのワインにストーリーがある名前をつけています。

そしてシチリアは9世紀〜11世紀にかけてアラブに統治されていた時代もあり、
その痕跡は今でも残っています。
モスク風の赤くて丸い屋根の教会や、食文化、アイスクリームの原型のシャーベットも
アラブ人がもたらしたと言われ、「アラブはシチリアの一部だ」とその文化を讃える人もいます。
ドンナフガータもアラビアとの歴史とリンクさせていて「ミッレ・エ・ウナ・ノッテ」=「千夜一夜」もそう。

   
 

1992年から当主とデザイナーが手掛けた斬新で可愛いラベルのワインは、
イタリアでは、美味しくないだろうと思われがちなんだそうですが、
ドンナフガータは外と中が伴っているんだと、その自信はイタリアワインの楽しさを感じます。

シチリアは土着品種の宝庫です。地中海からたくさんの民族がブドウの苗木を持って、
シチリアからヨーロッパ大陸に入植し何百、何千というブドウの品種が今でも残っていて、
その土着品種で造られたワインこそが イタリアワインの楽しさだと思います。

シチリア原産のネロ・タヴォラで造られた「ミッレ・エ・ウナ・ノッテ」は1995年が初ヴィンテージ。
その頃この品種は安くてまずいと言われ、ブレンド用として使われる事が多かった中、
単一でのワイン造りに挑み、初代当主の奥様ガブリエラがティスティングした際に
「スーパータスカンに並ぶワインだ!ドンナフガータここにあり!」と言ったとか言わなかったとか。
今回はお肉と合わせましたが、シチリアではネロ・タヴォラで造られるワインと
魚料理や野菜料理に合わせることも多いんですよ。

 初ヴィンテージ!スル・ヴルカーノ
 フレッシュでありながらミネラル豊富で
 濃厚な雲丹とも相性良いですよ。

 

 秋刀魚のブカティーニ
 穴あきの太麺パスタ。
 穴が空いているので
 吸ってもすすれない!
 ナイフで切って召し上がれ。

 

小さい粒状の
パスタ、「クスクス」          
これもアフリカから
入ってきたもの          
お肉のソースを
使うことが多いですが
シチリアでは
やっぱり魚介です。
 
A5ランクの
お肉とは
ミレ・エ・ウナ・ノッテ

 

「風の島」と呼ばれる
パンテレッリア島で
陰干しのブドウから
造られたデザートワイン
あんずの様な香りが
口いっぱいに広がり
最後はもうご満悦です。
 

 

やっぱりイタリアワインって楽しい!
国際品種のカベルネソーヴィニヨンやシャルドネで造られた
素晴らしい高級ワインも沢山あるけれど、
イタリアならではのワインは、飲む人を明るくさせてくれる。
それが最大の魅力。これ本当!聞いたことがない品種のワインを是非飲んでみてください。
きっとイタリアワインの虜になるはずです。

最後に、「今年のサッカーW杯は出れなかったけどイタリアでの盛り上がりはどうだった?」
と聞くと、「ホンマカッコ悪いわ!でもドイツが負けた時は一番盛り上がったわ!」と、
この日一番のテンションの高さでした。さすがサッカー大国!そしてワイン大国!

ビストロ・ダ・アンジュ ソムリエール  川西幸代

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