ソムリエール川西のワインにまつわるエトセトラ | Qualiter Letter

泡なしシャンパーニュ

皆さま明けましておめでとうございます。今年もみなさんにとってワインと食の楽しみがある素敵な1年になることをお祈り致します。
さて、今回はめでたい席には欠かせないワイン、シャンパーニュにまつわるお話。
ブドウ栽培の北限とも言われる寒冷なシャンパーニュ地方では昔から葡萄の収穫は年内遅くにずれ込まざるをえませんでした。
ワインとは葡萄ジュースに含まれる酵母が果汁の糖分をアルコールに転化して出来るのですが、
発酵の途中であまりの寒さに酵母の活動が 休止期を迎えてしまいます。早春になり、暖かくなると、眠っていた酵母が目覚め、
発酵が再開して炭酸ガスが生じます。当時はこの発泡性は非常に邪魔なものとして考えられていました。ガラス瓶が発明されたとはいえ、当時の瓶の強度は非常に弱く、熟成中に気圧でボトルが割れてしまうこともしばしば。当時のガラス瓶は非常に弱く、せっかくのワインが春の発酵で出たガスの気圧で割れてしまうこともしばしばあって、シャンパーニュ地方の作り手たちを悩ませていました。ちょうどそのころ助け舟となったのが、産業革命により安定供給されるようになった強いガラス瓶と、質の良いコルクです。シャンパーニュを発明した物は「この邪魔者の泡をワインに溶け込ませることによって爽やかなワインが作れないか?」と考えました。
かくして世界一華やかなお酒「シャンパーニュ」の誕生となったわけです。いつの時代もマイナスをプラスに変える発想力が状況を打開する大きな力に。
シャンパーニュが生まれるまでの話だけでも人生の教訓が・・・。勉強になりますね。
    
とにかく、泡の出るワインの珍しさは当時ベルエポック時代全盛、毎夜饗宴に明け暮れていた宮廷の女性たちを虜にしました。しかも当時のシャンパーニュは今の物よりずっと甘かったそうですから、流行に敏感な女性が飛びついたのも無理ありません。そして、今でこそシャンパーニュ用のグラスは細長いフルート型のものが多くなりましたが、当時このタイプの背の高いグラスは 「女性があごを上げて喉もとを見せるのははしたない!」と嫌われました。そうして生まれたのパーティーや宴会でよく見るじょうご型のグラスです。一説にはマリーアントワネットの乳房をかたどったのがこのグラスだという説もありますが、いくら噂に事欠かないマリーアントワネットとはいえ、さすがに無理があるかと思います。真偽の程はわかりません。



また、こんな物も中世には頻繁に使用されました。なんだかわかりますか?↓↓↓

正解は「シャンパンマドラー」なんと、シャンパーニュの泡を抜く為の道具です。
ヨーロッパの宮廷の女性にとって、人前で「げっぷ」をするなんてもってのほか!というわけでこの道具の登場。
ガスを抜いてシャンパーニュを楽しんだそうです。まったく、泡があるのが珍しくて飛びついたくせに、邪魔者扱いなんて・・・。
いつの時代も女性の気持は難しい物ですね。これもまた終わりの無い勉強です・・・。

ついでにちょっとした豆知識を。フランスではシャンパーニュをグラスに注いだときに立ち上る泡のことを「ペルル(真珠)」液面のグラス沿いにつながる泡の輪を「コリエ(首飾り)」と呼ぶことがあります。やっぱり洒落た国ですねぇ。
そういうわけで、そろそろ皆さんもシャンパーニュが飲みたくなってきた頃だと思います。
ぜひぜひ、当店自慢の「ルネジョリー」シャンパーニュをお楽しみ下さい。くれぐれも「泡は抜かずに」。。。
ちなみに私と一緒に写真に写っている当主ピエールエリック氏ですが、3月に来日します。又楽しいイベントをやりますので乞うご期待。それでは、、、

comments










trackback

trackback URL
http://wine.qualite.ciao.jp/trackback/11