ソムリエール川西のワインにまつわるエトセトラ | Qualiter Letter

甲殻類料理と白ワイン

JUGEMテーマ:ワイン

みなさん、おはようごいす!
にわか朝ドラ視聴者の井上です(笑)

暑い日が増えてきましたが、いかがお過ごしでしょうか?
実はこの時期、オマール海老の漁が最盛期を迎えています。
「海の枢機卿(すうききょう)」の別名も持ち、フランス料理には欠かせない食材。




強靭な爪と堅い殻にはうま味たっぷりの身やみそが詰まっています。
そもそも「オマール」とはハンマーの意味で、扱う時もその大きなハサミには要注意!

 きれいなバラにはとげがある。

 旨いオマールには爪がある!

 こんな私にも明日はある!!


だから、今日も頑張ろう。みんなもこぴっと頑張れし!
めでたしめでたし…。

…ではなくて、フランス料理のお話でした。
オマール海老といえば、古典料理「オマール テルミドール」があります。




  披露宴なんかで出てくる海老を半分に割ってグラタン仕立てにしたアレです。



ここでちょっとお勉強。
「テルミドールの反動」といえば世界史で習ったのを
覚えている方もいらっしゃいますでしょうか?

私自身は世界史はとっても苦手だったもので、
恥ずかしながら料理の世界に入ってから料理を通して改めて詳しく知りました。
ざっくりと言えばフランス革命における重要な出来事なのですが、

 なぜ、これが料理名に?


1894年にパリのコメディ・フランセーズのこけら落とし公演が
まさにこの出来事の劇「テルミドール」

それにあわせて有名レストラン「メール」が発表した
このオリジナル料理が劇名をとって「テルミドール」と名付けられたというわけ。
当時、劇の人気も相まって相当な人気を博したとか。

最近は婚礼料理で見かけることも少なくなりましたが、
豪華な料理であることには間違いいありません。


そして、甲殻類つながりで、フレンチではザリガニを良く使用することもご存知ですか?

「てっ」と思った方、ちょっとさかのぼって「じぇじぇじぇ」と思った方、
もちろん、冗談ではございません。
代表的な料理として今回は鶏のソテー マレンゴ風をご紹介。


  Poulet saute Marengo  ザリガニ君お行儀良いです(笑)


この料理はと言うと、ナポレオンにまつわる料理であります。
ナポレオンにまつわる料理、チーズ、ワインがフランスにはなんと多いことか。
それだけ影響力が大きかったということも言えますが、
ひねくれてる私は商売人の商魂たくましさが垣間見える気がしてなりません(笑)


 ナポレオンといえばこの絵があまりにも有名。
 
愛馬の名前が「マレンゴ」です♪


実は料理名の「マレンゴ」は、現在のイタリア、ピエモンテ州の村の名前。
ナポレオン率いるフランス軍がオーストリアと激しい戦いを繰り広げた場所です。

戦いは当初オーストリア軍が優勢であったのですが、フランス軍が逆転勝利を収めます。
この戦いナポレオン自身にとっても印象的だったのは
肖像画にも登場する愛馬の名を「マレンゴ」としたことからも良くわかります。

そして、ナポレオンおつきの料理人デュナンも、この地で歴史に残る料理を生み出しました。
それがこの「鶏のソテー マレンゴ風」です。

戦場の混乱、食材は手元に無いなか、気が短いナポレオンを満足させるために
戦勝を祝う料理を作らなければいけない。

そこで、農家から鶏と卵、硬くなったパンを、川からザリガニを入手し、
あり合わせの材料で料理を作ったところナポレオンは大満足。

 縁起の良い料理としてその後も何度も作らせたそうです。


どこまでほんまの話かはわかりませんが、
料理人デュナンは相当なプレッシャーだったことでしょう。
その冷や汗が絶妙のエッセンスだったのかもしれませんね。


なんでも、いつもおなじでは飽きるだろうと気を利かせたデュナンが
何度か肉を変えてこの料理を作ったところ、ナポレオンは不機嫌になったとか。


   子供かっ(笑)

と言いたくなるところですが、生死をかけて毎日を過ごしているナポレオンにとっては
ゲン担ぎの意味でも大事なことだったのかもしれません。


そんでようやくワインとの相性の話。
甲殻類と言えばやっぱり定番は樽熟成のシャルドネ。



焼いた海老や、ちょっと高級に海老のうま味を凝縮したアメリケーヌソースなどとは
絶妙の相性を見せてくれます。

家庭でオマール海老と格闘するのは勘弁。という方は海老の塩焼きでも結構。
香ばしさとうま味が相乗し、見事な相性を見せてくれるはずです。



もしも、蟹や海老を使用したサラダなど、ちょっと酸味を利かせた料理、
半生で食べるような調理法ならロワール地方のソーヴィニヨンブランがおすすめ。

サラダにグレープフルーツなどを添えると尚良いですね。
暑い季節にもぴったりです!

 
ある日の当店、1品より「ずわい蟹と塩トマト、アヴォカドのヴォロヴァン セロリのクーリ」
こんな料理とはソーヴィニヨンブランが♪



ワインは相性としての楽しみはもちろんですが、ナポレオンの時代には、
薬としての役割、飲み水としての役割、気分を高揚させる役割なども担っていました。

料理もワインもそれにまつわるストーリーは奥深く、本当に面白い。
そして、当時生きた人々がそのような思いでこの料理を作ったのかを考えると、
なるほど!と感心することばかり。

必ずしも、物が潤沢にあることが
新しいものを生み出す力ではないことを考えさせられます。
限られた人生を自分としてどう生きるか?
こりゃぁ永遠の課題ですね。どなたか教えてくれろし(笑)

コラムの最後に考えの迷路に陥ってしまいました…。
とにかく、旨いもんを食べて飲んで、今をこぴっと頑張ります!

    
 

comments










trackback

trackback URL
http://wine.qualite.ciao.jp/trackback/53