ソムリエール川西のワインにまつわるエトセトラ | Qualiter Letter

月見酒で思うこと

「月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月」
江戸時代に宮中でよく詠まれたという言葉遊びの様なこの短歌。
1年中月は見ることができるけれど、格別の月はこの月!とのこと。

みなさん、お月見はされましたか?
今回は月を眺めながら、
ついでに少しワインを口にしながら夜中にコラムを書いています。
月のパワーで良い文章が書けますように(笑)

月はなにかとミステリアスな存在。
神話にも、しばしば登場します。
ギリシャ神話のアルテミス、日本の神話のツクヨミノミコト…。

また月には餅をつくうさぎの模様があると言いますが、
ヨーロッパでは本を読むおばあさんだったり、カニだったりと、
いろいろな言い伝えがあります。
最近では「月に代わってお仕置き」するセーラー服戦士もいましたね。
   


想像力の賜物。うさぎ、おばあさん、カニはいますでしょうか?
さんさんと光る太陽に対して、その光を浴び、静かに光る月はどこか神秘的な装いですよね。



とにかく月にまつわる言い伝えやお話しが多いことが、古来、
月の存在が全世界の人々の生活において
重要な役割を果たしていたことがうかがえます。

畑作業のタイミングが大切な農業においては、
特に月の満ち欠けや位置による暦の読み取り(まさに「月読」ツクヨミ!)が
重要な要素を占めていました。

ワインを作るための葡萄栽培においても、もちろん同様です。
そして、さらに踏み込んだ「ビオディナミ」という農法を
みなさん聞かれたことはありますか?

ビオ=生命、ディナミ=エネルギー、
つまり自然環境のもともと持っている生命エネルギーに基づいた自然農法…
といってもよくわかりませんよね。

実際には月と天体、太陽暦から作られた
ビオディナミカレンダーに基づいた農作業を行い、
自然界に存在するものを調合したプレパラシオンと呼ばれる調合剤
(たとえば牛の角に詰めた牛糞!
たとえば家畜の頭蓋骨に詰めたオークの樹皮!!)を
使用して土壌の力を引き出す農法です。

有名どころでは、
かの「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ」も採用している農法なんです。




  プレパラシオンとはこんなのです。言葉や写真だけ並べるとなんだかおどろおどろしい




  南仏の自然派生産者ドメーヌ・デ・ローリエの畑。お花がいっぱいです。




  アルザスのワイン畑にて。冬でしたがなんだか雰囲気のある一枚です。


ただ、あんまりマニアックになってもいけないので、
その哲学を一言であらわしたアルザスの有名生産者、ジャン・ミシェル・ダイスの言葉を。

「何かを良くしようと思ったら、それは愛によってのみ可能だ」

う〜ん素敵なおことばっ♡
そういえば同じアルザスのビオ生産者フィリップ・ベッカーさんも
「私たちの次の世代に良い状態の畑を継承していくことが私たちの役目」だと、話してましたっけ。

  それって「愛」ですよね!

全く個人的な意見ですが、
私自身は「ビオ」だから良いワインである。とか「ビオ」でないからダメだとか
そういう基準は持っていません。

その特徴をしっかりとらえることが重要だと思っています。
そして、なにより大事なのは…
やっぱり愛!ラヴ!!アムールです!!!

以前にも書きましたが、「エスプリ=魂」や「愛」を感じるワインは間違いなくあります。
科学で解明できないかもしれないし、論理的に証明はできないかもしれません。
自分の感情によるところかもしれませんし、体調によるところかもしれません。

でも、愛をもって生み出されているワインには間違いなくその思いが感じられます。
そんなワインをより多く知りたい、私のお仕事を通じてたくさんの方に知って頂きたい。

中秋の月を眺めながら、ほろ酔いでそんなことを考える9月の夜です。

月のパワーといい、ワインに感じる愛といい、この世界には不思議なことだらけです。
だからこそ、自分の知らない世界やワインに魅力を感じるのかもしれませんね。

ただ、今日は残念ながら、月のパワーは私の文才には働いてくれなかったようです(笑)
さて、そろそろ飲み過ぎてオオカミ男にならないうちに、眠りにつくことにします。
おやすみなさい、おつきさま。



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