ソムリエール川西のワインにまつわるエトセトラ | Qualiter Letter

海の王者、オマール

新録の季節ですね。山に出掛けると、この季節にしか見られない、きれいな黄緑色が
一面に広がっています。 冬には、枯れてしまったんじゃないかと思う庭の木々も
少しずつ暖かくなってくると、新芽が芽吹いて、一気に葉が生い茂ります。
生命の力強さを、改めて感じるのもこの季節ですね。


ぶどうの木々も、この季節は葉を付け、実となる蕾を付け、白いかわいい花が咲き、
とてもよい香りが、6月の風に乗って畑一面に漂います。




そして一方、海では、フランス料理には欠かせない、
オマール海老の漁獲が最盛期を迎えます。

オマール海老は、数ある海の幸の中でも「王者」と呼ぶにふさわしい、
別格の食材とも言えます。味のよさと同時に、あの大きくて頑丈なハサミを持つ
堂々とした姿に「王者」の風格を感じます。


オマール=「Homard」の語源は、ハンマー=「Hammer」。
ハサミがハンマーの様に見えることに由来するんです。
ただし、もっぱら威嚇用なのだとか・・・。威嚇するには十分な武器ですね。
生活孔を掘ったり、餌を獲ったりするのは、口元の小さな顎脚を使うんです。

何と健気で努力家。コツコツタイプなんでしょうね。だからこそ王者なのかも・・・。
少しは見習わなければいけません・・・。


そして、何といっても、濃厚なエキスを持つ頭部と、そこに詰まっているコライユと言う、
いわば、ミソが、とても魅力的で、料理をするにも、とても大きな存在なのです。


そのまま、ハーブなどとローストしたシンプルなものから、 
今ではあまり見かけなくなりましたが、
結婚披露宴でお馴染みの、 テルミドール=オマール海老のグラタン。

そして、代表的なソースアメリケーヌは、身、内蔵、殻と、一つの素材すべてを使って
海老の旨味の完璧なソースに仕上がります。

う〜んっ、どれもこれも生唾が出て、お腹がグーと鳴ってきました。


このようなオマール料理との定番といえば、樽熟のシャルドネです。
豊かな樽の香りと、リッチでクリーミーな舌触り、
この組み合わせは絶妙な相性をみせてくれます。



オマールなんて高価で普段はそうそう食べれません。 いつもの海老を焼いたり茹でたり、
上品な甘さや香ばしさ、その旨味を十分引き出してくれます。

今では高価な食材ですが、アメリカでは19世紀中頃までは貧乏人の食べ物だったそう。
アメリカからカナダにかけての北部の東海岸一帯の浅瀬で
ザクザクた手掴みで獲っていたとか。

あまりにも沢山獲れるので、畑の肥料にしたり、囚人や召使いの食べ物で、
学校のランチにオマール(英語=ロブスター)を持って行った子供が「貧乏人」と
いじめられたというような話しが伝えられています。

ほんまかいなっ!! と突っ込みたくなりますが、なんとも羨ましい時代。
しかし、高価だからこそ、現在は珍重されているのかもしれませんね。    


オマール海老のヨーロッパ側の産地で、とくに名高いのは、
フランス北西部にあるブルターニュ地方。
オマール・ブルトンと呼ばれるそれは、青みがかった黒色。
オマール・ブルーとも言われています。
その味は格上といわれ、それだけに、お値段もとても高価なのです・・・。


脚や尾っぽが青く、白い斑点のあるのが特徴。 もちろん、茹でたら赤くなりますよ。     


そしてオマールの最盛期を迎える6月に、その名産地、
ブルターニュ地方のワイン会なるものを開催いたします。
ブルターニュで修行を積んだシェフによる、
魚介やオマール海老を使ったお料理を、お出しさせて頂きます。

がしかし、お気付きの方もいらっしゃると思いますが・・・
りんごの大産地でもあるこの地方は、カルヴァドスやシードルが有名。
このブルターニュ地方、ワインを造らない地方なのです・・・。
ワイン会・・・ 出来るの・・・。

うん・・・でもワインに合わない食材はない!!と信じる私は、
今からこの料理を引き立たせる
ワイン探しに奔走いたしますよ。。。  と、大口を叩いてしまいましたが・・・。
そこは、健気で、努力家、コツコツタイプを目指すとしましょう。。。



そしてもう一つ、私が勤めるビストロ・ダ・アンジュでは、5月、6月の2ヶ月間、
オマール海老尽くしコース」をお出しさせて頂きます。
もちろん、それらに合わせたグラスワインも多数ご用意しております。
海老好き、ワイン好きの方、是非是非いらしてください。お待ち致しております。

        



今年のゴールデンウィークは、長いお休みの方も多かったのでは?
遊びすぎた方も、ずっとお仕事だった方も、お疲れ出ていませんか?

それでも美味しい料理と、美味しいワインと、楽しい時間を過ごしたら、
あ〜極楽、極楽。

またまた、遊びも仕事も頑張れるもんですよね。


ビストロ・ダ・アンジュ ソムリエール  川西幸代



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