ソムリエール川西のワインにまつわるエトセトラ | Qualiter Letter

フランス訪問記 〜シャンパーニュ編〜

雲ひとつない青空と、賑やかな蝉の声に、夏本番を感じるこの頃 皆様いかがお過ごしでしょうか?
外の蒸し暑さと、クーラーでの冷えの差でお疲れは出ていませんか?

そんな夏真っ盛りの7月中旬、外は35℃という猛暑に、お店のエアコンもビックリしたのか
ぶっ壊れてしまうという大惨事が起こりました。
「今日クーラーのきき悪いなぁ・・・」なんて最初は言ってましたが、「いや、何かおかしいで・・・」となり、
電気屋さんに来てもらうと、「つぶれてますねぇ。」って!!
週末でお店はご予約で満席!すぐに修理できるってこともなく、冷風機やら扇風機を買いに行ったり、
おしぼりを冷凍庫に入れたり、とりあえずの応急処置はするものの、この暑さはしのげません!

暑い中、お食事をして頂いているお客様には本当に申し訳なく思っていますと、
「暑いのに大変やねぇ」とか「美味しかったよ〜」とか、ああ、何と寛大なお客様達!
あの暑い数日間にお越し頂いたお客様には、この場を借りてお詫びとお礼を申し上げたいと思います。
暑い中お越し頂き、暑い中お食事して頂き、温かいお言葉を頂き、本当に有難うございました。

そんな中、私のフランス行きの日も近づき、エアコンが直らない中、
うしろ髪を引かれながら、ワイナリー視察へと行ってまいりました。

12時間のフライトは映画を観まくり一睡もせず、シャルル・ドゴール空港に到着。
今回訪問するシャンパーニュの生産者、ルネ・ジョリーのドライバーさんがお出迎え。
荷物をバンに積み終えたら、助手席からクーラーボックスに入ったよく冷えたシャンパンと
シャンパングラスが出てきて、「ようこそいらっしゃいました。乾杯しましょう!」と
何とステキなサプライズ!! 空港の駐車場で「Santé !」
長旅の疲れも吹っ飛び、フランスに来たという実感が沸いてきました!
 

何と、フランスでは
グラス一杯までなら
飲酒運転可能なんだそう!

ホンマかいなっ!!
 

空港から高速にのって約2時間、ルネ・ジョリーのあるコート・デ・バールへ。
途中のインターで、カスクートや惣菜を買ってホテルへ到着。
ワイナリーの当主、ピエール・エリックがお出迎えしてくれました。
スペシャル・キュベ ‟RJ" で乾杯し、惣菜をひろげて夕食です。
レストランに行こうと思ったが、ここに住む私達の生活の一部を知ってもらいたかったという
当主の想いです。
 

 

コート・デ・バールはシャンパーニュ地方の最南部にある地域です。
シャンパンに使用される3つの品種は、ピノ・ノワール90%、ピノ・ムニエ5%、シャルドネ5%と
ピノ・ノワールが良く育つ産地です。
ルネ・ジョリーはこの地域のランドルヴィル村に畑があります。
そしてブドウの栽培から、醸造、販売までのすべてを行う家族経営のレコルタン・マニピュランです。
あちこちの地域に畑を持つ生産者が多い中、この村でだけでブドウを栽培することに
こだわりを持っています。
人口480人程の中の65%もの人がブドウ造りに携わっており、 10件程のワイナリーがあります。

シャンパーニュは有るべくして造られた土地だと、当主ピエール・エリックは言います。
大阪やニューヨークの様な消費の町ではなく生産者で成り立つ町だと。
夏は暑く、冬は‐25℃にまで冷え込み、公共機関や商業施設もほとんどなく
決して住みやすい土地ではないが、ブドウを作るためにここにいるんだと。


一つの花から一粒のブドウができ、一本の木から8〜10房まで剪定し一本のシャンパーニュができます。
ピノ・ノワールに適した産地でありながら、その25%にシャルドネの畑があるということと、
シャルドネ100%で造られるブラン・ド・ブランを造っているのは、ルネ・ジョリーの誇りでもあります。
この地域ではシャルドネ自体栽培していない生産者の方が多いんです。

 


 
シャルドネの葉は付け根が広がっていて、
ピノは重なり合っています。






 
 
大きい石灰岩がゴロゴロと転がっています。 
その下には泥粘土質の土壌が広がり、ひび割れてカラカラです。
さらにその下には石灰質の土壌が地中奥深くまで重なっています。

 
まだ実をつけたばかりのピノ・ノワール
皮はまだ緑色で実は硬く、
口に含むと顔が歪むほど酸っぱいです。

 

新しく導入した1972年もののプレス機は4人掛りでかき混ぜながら優しくプレスしていきます。
プレスしたジュースが自然発酵しないよう、2℃にキープ出来るよう冷却システムも導入。
また、瓶内二次発酵の際の王冠選びは重要で、あのギザギザからわずかに空気の循環が行われており
シャンパーニュの味わいに大きな影響を与えるため、お祖父さんの代から変わりません。
新しいものを取り入れながら、伝統を守り続ける。どちらも勇気と信念、我慢が必要!
私達のお店でも、日々頭を悩ませています。

ワインは一つの地方が何らかの災害で全滅してしまったとしても、他の地方、国でも造られますが
(もちろん、その土地のワインはなくなりますが・・・)
シャンパーニュ地方が全滅してしまったらシャンパンと名乗る飲み物はなくなってしまいます。
だからこそ、この土地に誇りを持っているんだと感じました。
この季節はブドウが成長していくとっても大切な時期。目がはなせません。
「ぶどうは宝石と一緒。僕達にとっては宝物。」と言うように、
大事に育てられたブドウから造られたシャンパーニュ。

日本に帰ってシャンパンを飲む時も感謝を忘れてはいけないなと実感いたしました。


まだまだ話のネタはつきませんが、シャンパーニュ編はこの辺で、
来月、ブルゴーニュ編でお会いしましょう。    À bientôt! 


ビストロ・ダ・アンジュ ソムリエール  川西幸代

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