ソムリエール川西のワインにまつわるエトセトラ | Qualiter Letter

牡蠣とシャブリ

寒さがまだまだ厳しい季節、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は、この厳しい寒さと眠気と毎日戦っております。
寒いと眠いと言っているのは私だけではないのではないでしょうか???
冬眠するんじゃなかろうかと心配でなりませんが、そうも言っておられませんので
なんとか必死で体を動かしてスイッチを "オン" にしております。


さてさて、牡蠣の美味しい季節です。フランスでは一年を通して食べられる国民食。
一人1ダースを食べるのは当たり前で、カフェやブラッスリーで白ワインを片手に
「プラトー・ド・フリュイドメール」を囲む姿はよく見る光景。


   


今でこそ和食や寿司が世界で知られる様になり、生魚が食べられる様になりましたが
ほとんど生で食べる習慣がなかった時代から牡蠣だけは「生」で食べられていました。

そしてワイン好きの方なら一度は聞いた事のある「生牡蠣にはシャブリ
「シャブリ」はブルゴーニュ地方の最北にあるシャブリ地区のシャルドネで造られたワインで

大昔は海の底でたくさんの貝殻が埋まっていてその中には牡蠣の化石が多く残っています。
海や貝のミネラルをたくさん含んだ土壌から造られるワイン。
相性の基本は、食材とワインの共通点を探すことにありますが、
海のミネラルの塊である牡蠣との相性は間違いないということ。
 


そして、もう一つはワインに含まれる「リンゴ酸」。これはりんごに含まれる酸で、
爽やかな風味とキレの良い酸味が特徴。生牡蠣にレモン、
生牡蠣に酸味のあるワインも納得の理由。

そして「リンゴ酸」は牡蠣に含まれるカルシウムの吸収もよくしてくれます。
さらに、海から上がったばかりの牡蠣は雑菌も多いはず。
酸の強い白ワインは殺菌作用もあるのです。


揚げ物にキャベツ、カレーにらっきょう、刺身や寿司にはガリとワサビなど
定番の組み合わせも、ただ美味しいだけじゃなく、消化吸収や殺菌効果など
ちゃんと理にかなってるんだと思うと、
人間って潜在的に体に良い組み合わせをしてきたんだと感心させられます。
 

  
中世に描かれた絵画
「牡蠣の食事」


でもでも、やっぱり牡蠣も赤ワインで頂きたいわ、という赤派の方、
赤ワイン=ボルドー。そして牡蠣=ボルドーなのです。
フランスの大西洋岸にあるアルカッションは牡蠣の一大産地。
そう、それがボルドーにあるのです。

地元の赤ワインで牡蠣を食べたいボルドー人が生み出した、ボルドー流の食べ方が
「生牡蠣とソーセージ」 それにバターをいっぱい塗ったパンも口に入れ赤ワインを飲むのだそう。

なんと贅沢な!! 「牛肉のステーキと牡蠣のクリーム煮」もフランスの定番料理。
果実味いっぱいの赤ワインと是非合わせてみて下さい!


冬は食生活によって体調を崩すことが多い季節です。
美味しいもの、食べ合わせの良いものをしっかりとって暖かくなるのを待ちたいと思います。
とはいえ、食べ過ぎ飲みすぎにはお互い注意しましょう。


ビストロ・ダ・アンジュ ソムリエール  川西幸代

JUGEMテーマ:ワイン

2018 新年を迎え思う事

新年明けましておめでとうございます。

年末年始は楽しく希望に満ち溢れた乾杯を幾度となくされた事だと思います。
新年を迎えて目標を立てたり、決意を新たにしたり、何かを始めたり。

それはきっと何かを成し遂げるとその向こうに何かがあるのを知っているから。

今の自分を成長させてすばらしい年にしたい、未来をより充実したモノにしたいと願うから。
とは言うものの、余程の信念と覚悟がないと成し遂げられないことも知っている。
分かっちゃいるけど中々動けない!と言うのが私のような凡人の言い訳。。。




目標体重になるまでは、と食事制限をし、仕事から帰ってから(私達の場合帰宅は23時〜24時)
ジョギングをしているなんて言う、お店のスタッフの話を聞くと、私には真似できないわと
尊敬の念さえ覚えます。

そんな私でございますので、地道にコツコツとマイペースで精進していくしかないなと思っております。
本年もどうぞよろしくお願い致します。


人にもあの年は良かった、今年こそは良い年にとすばらしい一年がある様に、
ワインにも当たり年を示す"グレート・ヴィンテージ"というものがあります。
ヴィンテージ=vintageの語源はフランス語の"Vendange" ラテン語のぶどうの収穫を示す言葉。
又は、Vin=フランス語でワイン、age=英語の年齢や時代、が合わさったものだと言われ、
いずれにしてもワインに深く関わる言葉なのです。

「ヴィンテージもの」と言えば今では様々な商品に対して使われ、
「古くて価値のある物」という事になりますでしょうか。
ワインに対しては、ヴィンテージというと、ぶどうの収穫年を指します。

「このワイン、ヴィンテージもん?」の意味は「このワイン、価値のある年代もん?」と
なるわけですが、「このワインのヴィンテージは?」と聞かれれば「2017年」と
古くても新しくても、ぶどうの収穫年を指すことが多いのです。

そして「グレート・ヴィンテージ」とは「偉大な年」。
その年の天候の良し悪しが大きく左右されるのですが、地方、大陸、国が変われば
それも全く変わるわけで、全てが「グレート」とは言えませんよね。
それでは何を基準に「グレート・ヴィンテージ」と言っているのか。


         


実はフランス、ボルドー地方の赤ワインのヴィンテージの良し悪しを指すことが多いのです。

ボルドーワインの価格の相場は独特で、ボルドー以外の地方や国のワインのほとんどは
生産者自身が近くの生産者や市場の相場を判断しながら決めます。
そして他の商品と同じで物価の上昇、下降と、経済状況を考慮しながら値上げ、値下げをします。

ボルドーワインといっても、グラン・クリュや特別な格付けをされた銘釀ワインとして扱われるものは、
毎年価格が変動し、一年後には10倍の市場価格になっているものもあります。

これはボルドーの伝統的な商法で、その年のワインの価格を生産者が決めるのではなく、
仲買人やワイン商によって決められます。それは品質のみではなく、評論家のコメントや世界の
経済事情をみながら変動していきます。




私たちがワインを買う目的は飲むためですが、年々価格変動いくワインを投資目的で
購入する人も少なくありません。
こういった理由がボルドーが世界に注目され多く語られる理由かもしれませんね。


「良いワインは良いブドウから造られる」という言葉がある様に、
天候というのはとても大切だと思います。

しかし、そこに人の知恵、技術、想いが込められ、初めてすばらしいワインが生まれるということを
忘れてはいけません。長い歴史とたくさんの努力が実を結んだ結果なのです。





グレート・ヴィンテージとは良い年ですが、何年か経って、そのワインがより素晴らしくなっていたとき
また改めてその年が偉大だったと分かるもの。

一日一日を大切にし、数年後にあの時の私がいたから今の私がいると思えるような
そんな一年にしたいと思います。


          

とはいうものの… このコラムの原稿締め切りがとうに過ぎておりまして……
年末の忙しさと正月休みというのに甘えが出てしまいました。。。

この場をお借りしまして、スタッフの皆様! ホントにごめんなさいっ!

初詣で"勝"と刺繍されたお守りを買い、今年は自身の甘えに勝つぞ!と意気込みましたが
三日坊主どころではありません…


皆様!何卒、何卒本年もよろしくお願いいたします。


ビストロ・ダ・アンジュ ソムリエール  川西幸代

JUGEMテーマ:ワイン

今年出会った素敵な乾杯

1早いもので、あっという間に12月。街はイルミネーションに彩られ、寒さとは裏腹に忘年会帰りの
人々で活気に溢れています。今年も最後のコラムとなりました。

一年間、皆様の貴重なお時間に拙いコラムをご拝読頂き、本当に有難うございました。
お店で、「コラム読んだよ!」なんて声をかけて頂くと、とても嬉しく感謝の気持ちで一杯になります。


人の持つ力って不思議ですね。後を尽きない魅力的なワインとの出会い。
それを、お客様と、ああだこうだと言いながらシェアする。その一瞬が一日を楽しく嬉しく
豊かにしてくれる。それが明日からへの力となりました。あらためてありがとうございます。
まだまだ失敗もありますし、知らないことも沢山ありますが、皆様のワインライフをより楽しんで
頂けるよう、日々精進していきたいと思います。
今後共よろしくお願いいたします。


そして今年もたくさんの生産者とワインとの出会いがありました。
4月にはシャンパーニュの中心地ランスより、バルビエ・ルーヴェのドゥニ、セリーヌ御夫妻が来日。
キリッとドライなブラン・ド・ブラン、そしてボリューム満点の良年のみ造られる2010ミレジムなどなど
きめ細かい泡は繊細で、余韻も長く力強さを感じる、女性醸造家セリーヌの思いが込められた
シャンパーニュに感激しました。



口数の少ない御夫婦ですが、音楽が鳴り出すと口ずさみながら踊ってみたり
仲睦まじいお二人を見ているだけでホッコリとさせてくれました。


7月にはフランスに渡り、シャンパーニュの最南にあるコート・デ・バール、ルネ・ジョリーを訪問。
古い伝統を重んじながら常に新しいものに挑戦し続けるピエール・エリック氏。
「おもてなし」という言葉は日本の言葉で今や世界中に知られていますが、
彼らのほんの小さな気遣い、私達をいつも楽しませてくれるユーモアのセンス。
それが本当のおもてなし=ホスピタリティなんだと改めて気付かされました。
「何を合わせるか」だけでなく「誰」と楽しむか、大切な人達と飲みたくなる、
そんな特別なシャンパーニュです。



ブルゴーニュ、シャブリでは素敵な家族に出会いました。
豪快に笑う父ちゃんと、おしゃべり好きな息子のエイドリアン。それを温かく見守るママン。
一度ワインの話になると、一つ一つに耳を傾け真剣にお話されます。
シャブリでは小さなワイナリーですが、特級畑を3つ所有し選び抜かれた生産者であることを
証明しています。次回来日の際には一緒にワイン会をしましょうと約束してくれました。
今からワクワクしています。




そこから南に下ったマコネ地区、プイィ・フィッセ村のシャトー・ヴィタリスのデニスさん。
 お一人で畑とワイナリーを案内してくれ、好青年でその生真面目さが伝わってきます。
北斜面、南、東向きの小さい畑を70ヶ所所有しており、他が良くてもここは悪いなど
往々にその年はダメとは言えないと、毎年安定した美味しいワインを造ってくれます。
今回は2013年ファーストヴィンテージの"Les Perrieres"の2014を試飲。
しみじみと「旨い!」と感じさせてくれます。





ボルドーのローザンデスパーニュのティボーさん、コルシカのエリックさんは、
お店にも来てくれ熱心にワインについてお話していただき、貴重な時間を過ごしました。



出会った造り手さんは皆さん本当にいい人ばかりで、その全てがワインに現れています。
ワインは農作物で、造り手の愛情がたくさん注がれたブドウがワインになり、情熱、人柄までもが
感じられます。
「ワインは造り手の人柄だけでなく、飲み手の人柄もあきらかにする。」と、どこかの偉人が言っております。
ワインを飲むと、懐の深さ、人としての幅が広がるかどうかは分かりませんが、
必ず楽しく幸せな気分になって心が豊かになりますよね。


来年もまた皆様と楽しいお話が出来ればと思っております。そして素敵な乾杯に出会えますように。
2018年もどうぞよろしくお願い致します。


ビストロ・ダ・アンジュ ソムリエール  川西幸代

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